【6月5日 AFP】女性の自動車運転解禁を数週間後に控えたサウジアラビアで4日、女性への運転免許証の交付が数十年ぶりに再開された。当局が発表した。

 保守的なイスラム教国であるサウジの歴史的な女性の運転解禁は、今月24日に予定されている。同日には首都リヤドを含む国内各地の都市で、まず女性計10人が外国の運転免許証を切り替える形で自国の免許を手にした。

 文化情報省の国際通信センター(CIC)は、免許証の交付を受けた女性の一人が「間もなく自国で運転できるようになるとは、夢が一つかなう」と話したと紹介。来週には、さらに2000人の女性に免許が交付される見通しだという。

 女性の自動車運転が禁止されているのは世界でも唯一サウジアラビアだけで、女性に対する抑圧だとして世界中から批判が集まっていた。

 同国の厳格なイメージの刷新を目指し、最近世界各国を外遊したばかりのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子は、女性に長く課されてきた制約の撤廃にも取り組んでいる。

 その一方で当局は先週、同国の安全を「害する」として17人の身柄拘束を発表。人権団体によると、拘束された人々の多くが、女性が運転する権利や「男性後見人制度」の撤廃を求める女性の活動家だとしており、サルマン皇太子の改革路線に影を落としている。(c)AFP/Anuj Chopra