【6月11日 AFP】スイス・ジュネーブで6月17日、伝説的なフランス人ワイン醸造家、故アンリ・ジャイエ(Henri Jayer)氏が手掛けたブルゴーニュワインの最後のオークションが行われる。予想される落札総額は、最高1300万スイス・フラン(約14億5000万円)だ。

 ジュネーブに本社を置くワインの競売会社バゲーラ・ワイン(Baghera Wines)による競売は、市内にあるレストランで行われる。出品予定となっている計1064本のワインの中には、世界で最も高価なものの一つである「ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・クロパラントゥ(Vosne-Romanee Premier Cru Cros-Parantoux)」も含まれている。

 1064本中、855本は標準サイズ(750ミリリットル)で、209本はマグナムボトル(1500ミリリットル)。1970~2001年に造られたもので、「ピノ・ノワール(Pinot Noir)の王様」として広く知られたジャイエ氏個人のワインセラーに保管されていた。

 AFPの取材にジャイエ氏の娘リディ(Lydie Jayer)さんとドミニク(Dominique Jayer)さんは、「父が個人的に保管していたこれらのワインは父のラボそのもののようなところがある…長い年月をかけて熟成していく様子をみることができるから」と電子メールで回答。

「オークションへの出品はいたって自然だった。すべてのワインを私たちだけで飲むことはできない。ワイン好きの方々に購入してもらい、父をしのびながら飲んでほしい」と話した。

 2006年に84歳で死去したジャイエ氏は1970年代、自身が手掛けたワインが世界最高峰クラスに格付けされたことで一躍有名になった。

 個人的に親交のあったスイス人のワイン評論家ジャック・ペリン(Jacques Perrin)氏は、年月を重ねるうちにジャイエ氏は「(フランスの)ブルゴーニュ(Burgundy)の顔と言うべき存在になった」とAFPに述べる。

「(ジャイエ氏のワインには)スレンダーさ、優れたストラクチャー、そして芳醇(ほうじゅん)な香りのフィネスと、ピノのあらゆる長所が詰まっている。その特徴を保つために彼はどんなことでもした」と、ペリン氏は説明した。