【6月4日 AFP】サッカーイタリア代表のマリオ・バロテッリ(Mario Balotelli)は3日、自身がキャプテンマークを巻くことは同国の人種差別に対する警告になるとの見解を示した。ロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)新監督から招集を受け、4年ぶりに代表復帰を果たしたバロテッリは、ピッチ上で人種差別の標的になっていた。

 フランス・リーグ1のニース(OGC Nice)でプレーするバロテッリは、4日に行われるオランダとの国際親善試合に向けた記者会見で「キャプテンになることで自分が大きく変わることはないが、この国にとっては一種の警告になる」と話している。

「得点を挙げるためにこのチームにいる。たとえキャプテンマークを巻かなくても、自分はアフリカ系の移民やその子どもたちにとっての模範になりうる。それも強いメッセージになる」

 バロテッリはまた、スイスで行われたサウジアラビアとの親善試合では「俺たちのキャプテンにはイタリアの血が流れている」という人種差別的なフラッグが掲げられた件について言及し、「難しい問題であり、若いときにもこのような経験をした。今回のものが本当の人種差別なのか、それともねたみなのかは分からない」と述べた。

「心が痛い。イタリアはフランスやイングランドのように変わるべきだ。ソーシャルメディアにも書いたように、目を覚ますときなんだ」

 27歳のバロテッリは、2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を最後にイタリア代表から離れていたことについても「心を痛めた」と明かしている。

「代表チームに招集されず、4年が過ぎた。心が痛いよ。今、過去について話すのは無駄だ。ここからまたスタートし、将来を見つめなければならない」

「2016年の欧州選手権(UEFA Euro 2016)で、アントニオ・コンテ(Antonio Conte)前監督が自分を代表に呼ばなかったのは正しかった。状態が良くなかったからね」

「ジャンピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)前監督はなぜ招集しないのかを教えてくれた。だけど、その理由はあまり理解できなかった。それでも彼の人選については敬意を持っている。招集されなかった理由はざっくりとしか分からないが、それは胸にとどめておく」

 イタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)とイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)時代にバロテッリを指導した経験があるマンチーニ監督は「彼がまだ若かったころ、一緒のチームで働けたことは幸運だった」と述べた。

「彼には信じられないほどの才能があり、当時は非常に重要なゴールを決めていた。彼は私の息子と同い年で、どちらも人として完璧ではない。誰もがそうなのさ」

「マリオには実力があり、ここ数年を無駄に過ごしたのは事実だ。しかし、それを補うだけの長い時間が彼にはある」

 バロテッリはサウジアラビア戦とフランス戦に先発出場しており、4日に予定されているオランダ戦では先発メンバーに名を連ねない予定だ。イタリアとオランダの試合は、2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)の出場を逃した強国同士の一戦となる。(c)AFP