【6月4日 AFP】サッカー国際親善試合は3日、各地で行われ、ブラジルはネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の得点などで2-0とクロアチアに勝利した。

 けがからの復帰戦となったブラジルのネイマールは素晴らしいシュートを決め、W杯ロシア大会(2018 World Cup)に向け調子の良さを示した。

 2月下旬、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)の試合中に中足骨の骨折に加え足首を捻挫し、98日間離脱していたネイマールは、W杯開幕前に自身のフィットネス状態について懸念を告白していた。

 しかし、フェルナンジーニョ(Fernandinho)との交代で後半開始時からピッチに登場すると、後半23分に素晴らしい個人技からのゴールを挙げ、ブラジル国民の不安を払拭(ふっしょく)した。

 W杯開幕まであと10日と迫る中、ネイマールは「負傷期間は3か月あった。復帰できたこと、私が最も愛しているサッカーをプレーできたこと、さらに得点を決められたこと。そういったことに大きな喜びを感じるし、私はとても幸せだ」と話している。

 フィリペ・コウチーニョ・コレイア(Philippe Coutinho Correia)からパスを受け取ったネイマールは、ペナルティーエリアへと進入し、卓越したボールコントロールとドリブルで対峙(たいじ)していたシメ・ヴルサリコ(Sime Vrsaljko)とドゥイェ・チャレタ・ツァル(Duje Caleta-Car)をかわすと、ゴールまで6ヤード(約5.4メートル)の距離から放ったシュートは、クロスバーに当たりながらネットを揺らした。

 ネイマールは試合後、「今でも少し痛みはあるが、しばらく歩いていないとそうなるのが普通なんだ」と話し、現在のコンディションについて「80パーセント」と評価した。

 ブラジルのチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督は、3か月ぶりの試合でネイマールが見せたシュートに驚きを隠せなかった。

「復帰戦ということあり、もう少し抑えたものを予想していた! もっと地味なパフォーマンスでも私は喜んでいたさ」「彼が披露したものは本当に素晴らしいものだった。ネイマールは個人としても傑出したタレントであるが、チーム全体の動きから決めた彼のゴールもまた素晴らしかった」

「彼は、このチームが自分に何をもたらすのかを認識している」

 ブラジルを率いてからの20試合で16勝をあげているチッチ監督は、ネイマール個人の貢献よりもチームとしての努力に焦点を当てたいと強く考えている。

 しかしチッチ監督は、W杯に向けた強化試合での2-0の勝利により、世界で最も高額なサッカー選手であるネイマールが見出しを飾る運命にあることも理解している。

「ゴールに関して言えば、彼がその責任の全てを負うのではない」

「彼は、今やっているようにチームのために働き続け、まずはチームのことを考えなければならない」

 ブラジルは試合会場となった英リバプールからロンドンの練習場に戻り、その後はオーストリアに移動して、10日にはW杯前最後の親善試合として同国代表と対戦する。

 ブラジルにとって6度目となるW杯タイトルをかけた冒険は、17日のグループステージ初戦のスイス戦で幕を開ける。

 チッチ監督は「ハーフタイム、私は選手たちに『君たちは今、死闘を繰り広げている。対戦相手はとても高いレベルでプレーしている』と話した」と述べ、「しかし、それはW杯本大会でも想定しておかないとならないことだ。対戦相手がリードする場面もあるかもしれないが、それをのみ込んで、自分たちの優位性を示すことができれば、違いを生み出すことができるだろう」と続けた。(c)AFP