【6月1日 AFP】ウクライナ治安当局と協力して自身の殺害を偽装したジャーナリスト、アルカディ・バブチェンコ(Arkady Babchenko)氏は31日、この驚きの作戦を同業者から批判されたことを受け、自らを弁護した。

 ウクライナ政府は、ロシア政府が政権に批判的なバブチェンコ氏の暗殺を計画していたと説明し、これを阻止する目的で事件を偽装したことを認めたが、その後に批判を浴びている。

 バブチェンコ氏は31日、自身の生存を発表した記者会見に次ぐ2度目の会見を開き、「生き延びることと、家族の安全を確保することが目的だった。それを最優先に考えている。今、ジャーナリストとしての規範を考えることは、一番後回しにしている」と語った。

 同氏の生存が判明した直後には安堵(あんど)の声が上がったものの、多くの同業者は、殺害の偽装はジャーナリストの信用を損なう行為だと厳しく批判している。

 バブチェンコ氏はこれに対し、「気にしていられなかった。次の機会に信じてもらえるかはどうでもいい。死んでしまったら、そんなことは意味がないのだから」と述べた。(c)AFP/Ania TSOUKANOVA, Oleksandr SAVOCHENKO