【6月3日 CNS】「2人の結婚記念日は?妻の誕生日は?子どもの誕生日は?」

 中国・江蘇省(Jiangsu)連雲港市(Lianyungang)東海県(Donghai)民政局婚姻登記所は、離婚の手続きで訪れた夫婦に、任意の「離婚アンケート」の記入を求めている。夫婦のつながりを判断するためだ。民政局は、アンケート結果から、夫婦の間に横たわる基本的な問題を理解することができ、調停時の重要な判断素材にもなると説明している。

「離婚アンケート」は、インターネット上で大きな話題になり、「法律による明確な婚姻の自由があるのだから、こんな形をとるべきではない」「民政局は破綻寸前の2人の関係を修復するため、できる限りの努力をしている」といった意見が出ている。

 22日午後、同民政局2階にある離婚課の入り口は、数組の夫婦が離婚手続のために並んでいた。「離婚アンケート」には、みな答えたくないようだ。

 民政局婚姻登記所の劉春玲(Liu Chunling)主任は、「これはアンケートであってテストではないし、もちろん強制もしない。民政局が当事者の婚姻における問題の所在を理解することで、仲裁業務をより円滑にするためのものだ」と言う。

 現在までに3組の夫婦がアンケートに協力したが、最終的には3組とも離婚した。劉主任は、「離婚をするためにここに訪れる夫婦は、基本的にはみなアンケートを拒否する」と言う。最初にアンケートに参加したある夫婦は、女性側のみが記入し、男性側は無記入だったが、男性は女性の回答に100点を付けたという。

「私たちは夫婦に点数をつけるつもりはない。アンケート結果から、夫婦の結婚生活の問題がどこにあるかを明らかにしたいだけ」と、劉主任は言う。

 日常の仲裁業務は、オフィス内で口頭で進められる。どちらが先に離婚を切り出したのか、どちらか一方に悪習などの問題があったのかなどを質問した後、仲裁業務に入る。しかし、夫婦双方がそれぞれ自分の言い分を主張し、ときにはその場で口論がヒートアップしてしまうこともあり、二人の間の問題を明らかにできず、仲裁もさらに困難になる。

 現在、80年代、90年代生まれの夫婦が離婚手続に訪れることもあり、劉主任は心を痛める。「積極的に仲裁し、夫婦の離婚仲裁を成立させたい」と言う。1日で最多6組の夫婦の離婚を仲裁したこともあるという。

 劉主任は「このアンケート形式は、今後も継続していく。自発的に記入してくれる人さえいれば、私たちは夫婦の問題がどこにあるのかなど見つけ出し、離婚を回避することに力を尽くしサポートしていきたい」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News