【5月31日 AFP】約2億4000万年前に生息していた小型動物が、知られている中で最古のトカゲであることを突き止めたとする研究論文が30日、発表された。当時、地球上にある大陸は1つだけで、恐竜が登場したばかりだった。

 国際研究チームが英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した論文によると、カメレオンほどの大きさの爬虫(はちゅう)類「メガキレラ(学名:Megachirella wachtleri)」の化石化した骨格をCTスキャンで詳しく調べた結果、有鱗目(ゆうりんもく)に属する現生種のトカゲ類とヘビ類の祖先であることが明らかになったという。

 論文の共同執筆者で、カナダ・アルバータ大学(University of Alberta)のティアゴ・シモエス(Tiago Simoes)氏はAFPの取材に、有鱗目の起源が7500万年さかのぼる今回の発見は「トカゲ類が2億4000万年以上前から地球に生息していた」ことを意味すると語った。

 これにより、有鱗目は「ペルム紀末大量絶滅」が起きた約2億5200万年前にはすでに他の古代爬虫類から分岐していて、大量絶滅を生き延びたことが示唆される。

 ペルム紀末大量絶滅では、最大で95%の海生生物と75%の陸生生物が地球上から姿を消した。

 約20年前にイタリア北東部ドロミーティ(Dolomites)山地にある圧縮された砂と粘土の地層に埋まった状態で発見されたメガキレラは当初、トカゲの近縁種と誤って分類されていた。

 だが、シモエス氏は疑問を抱いたという。

「化石を最初に見た時、トカゲの初期進化に関連付けられる可能性のある重要な特徴を持つことに気が付いた」と、シモエス氏は説明する。

 そこで同僚と協力し、メガキレラの小さな骨格に対してCTスキャンなどのより詳細な分析を実施した。

 CTスキャンは、岩の中に埋もれている化石の裏側などの、それまで確認できなかった身体的特徴を明らかにした。

 研究チームはメガキレラの下顎に、有鱗目爬虫類に特有の小さな骨があることを発見した。