【5月31日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)とのサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝で、致命的なミスを犯したリバプール(Liverpool FC)のGKロリス・カリウス(Loris Karius)に対して、かつてリバプールでチャンピオンズリーグを制した同じドイツ出身のディートマー・ハマン(Dietmar Hamann)氏が厳しい評価を下している。

 カリウスは26日の決勝で、自身のミスからカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)とギャレス・ベイル(Gareth Bale)にゴールを許し、チームが1-3で敗れる大きな要因をつくってしまった。試合後、涙を流しながらファンへのあいさつに向かうカリウスの姿は悲しさを感じさせた。

 それでも、2005年にリバプールでチャンピオンズリーグ制覇を果たしたハマン氏は、この場面に心を動かされなかったようで、独誌スポーツ・ビルト(Sport Bild)で次のように話している。

「カリウスに対して、心から共感することはできない。彼の二つのミスが試合結果を決めたのは、議論の余地のない事実だ。とはいえ、プロサッカー選手を続けていればああいうことは起こるもの。私が気に入らなかったのは試合後の振る舞いの方だ。ホイッスルが鳴った後につらい気持ちをさらけ出すのは不必要だし、泣くのも良くない。レッズファンに許しを求めているようにも見えた」

「リバプールファンはスターであろうと、誰であろうと選手を許す。チームのアンセムにもある『You'll Never Walk Alone』はあのクラブの一部だ。ただし一つ例外がある。それは、その選手のエゴがパフォーマンスに見合っていないときだ」

「カリウスは『LK1』という特別なナンバープレートの車を乗り回している。街で車から降りればいつも大騒ぎだ。CR7ことクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がマドリードの街に登場したときに、そういう空気になるのはわかる。何しろ彼は5回もチャンピオンズリーグを制しているのだから。しかし、カリウスのようなキャリアでまだ何も成し遂げていない人間は、世界最高峰のクラブで、(指揮官の)ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)からチャンスをもらえていることを幸せに思うべきだ」

 カリウスに苦言を呈している元ドイツ代表はハマン氏だけではなく、ローター・マテウス(Lothar Matthaeus)氏は、2016年に同国ブンデスリーガ1部のマインツ05(Mainz 05)からリバプールに加入した24歳の決勝での出来を「この20~30年に見たGKで最悪」と切り捨てた。

 それでも、現在イタリア北部でW杯ロシア大会(2018 World Cup)へ向けた合宿を張っているドイツ代表のヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、試合後にメールを送ってカリウスを激励したという。カリウスはまだフル代表に招集された経験はない。(c)AFP