【5月30日 AFP】中国国営の新華社(Xinhua)通信は30日、同国からベトナムへ向かっていた旅客機の窓にひびが入ったため、同機が引き返して緊急着陸したと報じた。同国では2週間前にも、別の航空会社の旅客機が飛行中、操縦室の窓が破損する事故に見舞われたばかりだった。

 新華社によれば、乗客211人を乗せたベトナム南部ニャチャン(Nha Trang)行きの北京首都航空(Beijing Capital Airlines)機は29日、離陸から約1時間後に中国東部の杭州(Hangzhou)へ引き返した。

 乗客の一人は国営中国中央テレビ(CCTV)に対し、「1時間飛行した後、機体が突然激しく揺れた」「機内アナウンスは機体が乱気流に遭遇したと説明した。私はこれまで何度も飛行機に乗ってきたが、これほど強力な乱気流は経験したことがない。客室の子どもたちの多くが怖がって泣いていた」と話した。

 CCTVによれば、乗客には補償金として400元(約6800円)が支払われた。だが乗客の一部は、額が少なすぎる、また航空会社が謝罪しなかったことに怒って、代替便への搭乗を拒否した。

 運航情報サイト「フライトアウェア(FlightAware)」によれば、機体はエアバス(Airbus)A321型だという。

 北京首都航空のトップは新華社に対し、窓にひびが入ったものの、一部の乗客が主張していた操縦室の窓ではないと話した。

 同国では今月14日、乗客128人を乗せた四川航空(Sichuan Airlines)機が、上空9800メートルで操縦室の窓を破損する事故に遭い、中国南西部に緊急着陸。副操縦士の体の一部が外に吸い出される事態に遭遇していた。(c)AFP