バングラデシュで「薬物撲滅戦争」、2週間で100人以上死亡
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【5月29日 AFP】バングラデデシュ当局は現在、薬物撲滅運動を強化しており、過去2週間に密売人とされる100人以上が殺害され、数千人が身柄を拘束された。フィリピンの麻薬戦争をほうふつさせる取り締まりで、超法規的殺人を懸念する声が上がっている。
警察によると29日未明にも、密売人とされる10人以上が射殺された。うち数人は警察との銃撃戦で、それ以外は密売人同士の抗争で死亡したという。
同国では、覚せい剤のメタンフェタミンとカフェインを混ぜた安価な錠剤「ヤバ」の取引が急増。当局はこれに歯止めをかけるため、今月半ばにこの薬物撲滅戦争に乗り出し、これまでに密売人とされる計102人が殺害された。
アサドゥザマン・カーン(Asaduzzaman Khan)内相はAFPに対し、「完全に規制下に置くまでこの戦争は続く」と話した。
カーン内相によれば、取り締まりが始まった15日以降、密売容疑で約1万2000人が逮捕されて特別法廷で裁判にかけられており、その多くが6日から6月の実刑判決を受けているという。
一方、国家人権委員会(National Human Rights Commission)は今週、死者数の増加に「深刻な懸念」を示し、超法規的殺人とみられる行為に警鐘を鳴らしている。
摘発に当たる警察の精鋭部隊「緊急行動部隊(RAB)」は、同班が殺害した24人全員が「薬物取引の元締ら」だったとしているが、その証拠は提示されていない。
死者の中にはテクナフ(Teknaf)選出の議員も含まれているが、支持者らは同議員は薬物には一切関わっていないと訴えている。(c)AFP