【5月29日 AFP】フランスの実業家で大富豪のセルジュ・ダッソー(Serge Dassault)氏(93)が28日午後、パリのシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りにある自身の事務所で亡くなった。死因は心臓発作とみられる。遺族が同日発表した。

 航空機、メディア、ソフトウエア事業を手掛ける仏グループ・ダッソー(Dassault Group)の会長で、仏ビジネス界の重鎮だったダッソー氏。米経済誌フォーブス(Forbes)によると、2016年時点での純資産は148億ドル(約1兆6200億円)で、仏長者番付3位だった。

 同国最先端の戦闘機ラファール(Rafale)などを製造する仏防衛大手ダッソー・アビアシオン(Dassault Aviation)の経営支配権を保有することで知られるほか、フランスの保守系日刊紙で最も発行部数が多いフィガロ(Le Figaro)を所有。

 また、保守派政治家として上院議員やパリ南郊にあるコルベイユエソンヌ(Corbeil-Essonnes)市の市長も務めたが、脱税や票買収疑惑といったスキャンダルにも見舞われた。

 ダッソー一族のビジネス帝国は父のマルセル(Marcel Dassault)氏が創業した。亡くなったダッソー氏には4人の子どもがいる。(c)AFP/Baptiste PACE, Adam PLOWRIGHT