【5月28日 AFP】大韓航空(Korean Air)を傘下に置く韓進グループ(Hanjin Group)の趙亮鎬(チョ・ヤンホ、Cho Yang-ho)会長の妻、李明姫(イ・ミョンヒ、Lee Myung-hee)氏(69)が、運転手や工事作業員らへの暴行の疑いで事情聴取を受けるため、首都ソウルの警察署に出頭した。李氏は「ナッツ姫」として知られる趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)氏の母親。

 李氏は、ソウルの警察署の中に入る前、集まった報道陣の前で「問題を起こして申し訳なく思っている」と頭を下げた。同氏は、自分付きの運転手や家政婦、自宅のリフォーム工事や大韓航空系列のホテルの建設工事を行っていた作業員らに対し、罵倒した他、殴る蹴るなどの暴行を加えたり、はさみを投げ付けたりした疑いをもたれている。

 趙・李夫妻の長女の趙顕娥氏は「ナッツ事件」で知られ、次女の趙顕ミン(チョ・ヒョンミン、Cho Hyun-min)氏も取引先の従業員への「ジュース掛け事件」で物議を醸した。姉妹ともに大韓航空の幹部だったが、一連の事件後、役職を離れている。

 趙顕娥氏は今月24日にも、フィリピンからの移民を違法に雇い家政婦として働かせた疑いについて事情聴取を受けるため、出入国外国人庁に出頭したばかり。

 同氏は2014年、大韓航空機内で乗務員がマカダミアナッツをボウルに移し替えず袋のまま提供したことに激怒して乗務員2人を土下座させ、滑走路に移動中だった同機をターミナルに引き返させてこのうちの1人を降ろした「ナッツ事件」で世界中のメディアに取り上げられた。その後、同氏は航空保安法違反などの罪で起訴され、昨年12月に懲役10月、執行猶予2年の有罪判決が確定している。映像は28日撮影。(c)AFP