【5月28日 AFP】26日にサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)制覇を果たしたレアル・マドリード(Real Madrid)だが、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)の退団を示唆する発言が祝勝ムードに水を差した。

 チームメートはリバプール(Liverpool FC)を3-1で下して成し遂げた通算13度目の優勝を祝福したが、ロナウドはクラブへの配慮を欠くコメントを発した。

 自身5度目のチャンピオンズリーグ優勝を経験したロナウドは試合後、「マドリードにいられて本当に素晴らしかった」とクラブに別れを告げるようなコメントを発し、「数日以内にファンに答えを出したい。彼らはいつも自分に寄り添ってくれた」と続けた。

 しかしその24時間後の27日夜、ロナウドは凱旋(がいせん)パレードが行われたマドリードのシベレス広場(Cibeles Square)でファンに「本当にありがとう、また来年」とチーム残留を匂わせるメッセージを送った。

 ここ数か月間、ロナウドとその代理人は、レアルと新たな契約について議論を交わしてきた。報道によると、ロナウドはFCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を上回る世界最高年俸を求めているという。

 レアルのフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長はこれに応じないため、気分を損ねているというロナウドは、これまでペレス会長との関係はすべてがうまくいっているわけではないと発言してきた。

 ロナウドの、ファンのサポートに対する発言と、クラブ上層部に対する不満は、ペレス会長へのあてつけだと考えられている。ロナウドの退団を示唆する発言が26日夜に耳に届いたペレス会長は、発言のタイミングに不快感を示し、退団の可能性を否定した。

「きょうのようにチャンピオンズリーグのタイトルを祝っている日にそんなことを聞くな。誰しもがしゃべる権利はあるが、ここで重要なのはクラブだ。皆がこのタイトルを祝福している。クリスティアーノはこれまでも、今も、これからもハッピーだ。彼には契約がある」

 また、レアルを指揮するジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、ロナウドの発言に取り合わなかった。

「そんなことは考えていない。私は今自分たちがしていることを考えている。試合のこと、自分たちが成し遂げたことをね。クリスティアーノについては待ってみようではないか。彼は残る。イエス、もしくはイエスだ」

 27日のスペインメディアの報道によると、レアルの選手はチャンピオンズリーグ3連覇から注目を奪ったロナウドの発言に不満を持っている。その一人のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)は、控室でロナウドに対し本心を伝えたという。

 ラモスは「クリスティアーノはここ以上の場所を見つけることができないだろう」とコメントしている。

 ロナウドのファンも今回の発言を快く思っておらず、スポーツ日刊紙マルカ(Marca)は「クラブはロナウドをつなぎ留めるために特別な努力をするべきか?」と2万5000人以上に質問し、65パーセントは「ノー」と答えたという。(c)AFP/Thomas ALLNUTT