【5月28日 AFP】18インディカー・シリーズは27日、第6戦インディアナポリス500(Indianapolis 500)決勝が行われ、チーム・ペンスキー(Team Penske)のウィル・パワー(Will Power)が、自身11度目の挑戦にして初優勝を飾った。オーストラリア出身選手の同大会制覇は史上初。

 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(Indianapolis Motor Speedway)の1周2.5マイル(約4キロ)のオーバルトラックで、2015年大会は準優勝に終わっていたパワーは「感無量だ。最高の気分」「最終ラップに入った時から、自分が勝つと確信して叫び出した。本当に信じられないよ。こんなに興奮したことはない」と喜んだ。

 3.1589秒差の2位にはポールポジションでスタートしたエド・カーペンター・レーシング(Ed Carpenter Racing)のエド・カーペンター(Ed Carpenter)が入り、2008年大会覇者でチップ・ガナッシ・レーシング(Chip Ganassi Racing)のスコット・ディクソン(Scott Dixon)が4.5928秒差の3位に続いた。

 一方、連覇を狙ったレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(Rahal Letterman Lanigan Racing)の佐藤琢磨(Takuma Sato)は、周回遅れになっていたAJフォイト・レーシング(A.J. Foyt Racing)のジェームス・デービソン(James Davison)とターン4でクラッシュし、リタイアを余儀なくされた。

 16番手からスタートしながら、接触が起きた47周目の時点では27位に順位を落としていた佐藤は無傷だったが、レース後にはスローペースだったデービソンのマシンをかわしてクラッシュを回避することはできなかったと語っている。「ああいったふうにしてひとたびエアポケットに入ってしまうと、引き込まれてしまう。お互いにとって不運なシチュエーションだった。チームやファン、そして応援してくれた人々に本当に申し訳なく思う」

 昨年はアンドレッティ・オートスポーツ(Andretti Autosport)のマシンで出場した佐藤は、チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベス(Helio Castroneves)を抑え、伝統のレースで日本人初の栄冠に輝いていた。

 また、この日のレースで20年に及ぶキャリアに幕を下ろすと話していたエド・カーペンター・レーシングのダニカ・パトリック(Danica Patrick)は、68周目でウォールにヒットするなどして30位でフィニッシュした。

 女性ドライバーとしては唯一となる、インディカー・シリーズでの優勝とデイトナ500(Daytona 500)でのポールスタートを果たしている36歳は「きょうは思い描いていた結果が残せず、最後のレースとしては非常に残念な形となった。でも、すべてに感謝している。もう少し力強く終われればよかったとは思う」と述べた。(c)AFP