【5月28日 AFP】英マージーサイド警察(Merseyside Police)は27日、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するGKロリス・カリウス(Loris Karius)に対するSNS上での殺害予告や脅迫について捜査中であると発表した。カリウスはレアル・マドリード(Real Madrid)とのサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝で致命的なミスを繰り返し、ファンの怒りを買っていた。

 ウクライナ・キエフで行われた決勝でリバプールは、カリウスの2度のミスが失点に直結して1-3でレアルに敗れた。

 前半、味方に投げたボールが相手FWカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)の足に当たってそのままゴールに吸い込まれ先制点を許したカリウスは、後半にはギャレス・ベイル(Gareth Bale)のロングシュートの処置を誤ってボールを後ろにはじいて3点目を与えた。

 試合終了のホイッスル後カリウスは泣き崩れたが、守護神の元に慰めに駆け寄るリバプールの選手は皆無だった。

 リバプールを率いるユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、2016年にドイツ・ブンデスリーガ1部のマインツ05(Mainz 05)から獲得した24歳が気の毒だとコメント。27日にリバプールのジョン・レノン空港(John Lennon Airport)にチーム機から降りてきた際、カリウスは手で顔を覆っていた。

 試合後にカリウスはミスを謝罪したが、怒りの収まらないリバプールのファンはカリウスとその家族を脅迫をした。

 SNS上にはカリウスにがんで死んでほしいというコメントや、「家族全員死んでほしい」「お前の娘を殺してやる」と言った文言があふれた。

 マージーサイド警察の広報は英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対し、カリウスへの脅迫を捜査していると明かした。

「警察はソーシャルメディア上のこういった性質の投稿を極めて深刻に捉えている。特定された違反投稿者は捜査されることになる」

「マージーサイド警察としては、悪意あるメッセージや脅迫といった違法投稿は捜査対象であることをソーシャルメディアのユーザーに自覚してほしい」

 27日に自宅に戻るまで、カリウスは人生最大の舞台で起きた悲惨なミスを受け入れるために苦しんでいた。カリウスはツイッター(Twitter)で脅迫には触れずに、ファンに悪夢のようなパフォーマンスを再度謝罪した。

「今までよく眠れていない。あの場面が頭の中を何度もよぎる。チームメート、ファン、すべてのスタッフに謝っても謝りきれない」

「自分の二つのミスが試合を台無しにし、みんなを落胆させてしまった。前にも言ったように時間を戻したいがそれは不可能だ。僕らはレアル・マドリードに勝てると感じていたし、ずっと自分たちのプレーができていたので余計に最悪だ」

「キエフに来て、試合後でさえも僕の背中を押してくれた最高のファンに感謝したい。それを当たり前のことだとは思っていない。自分たちは大きな家族だということを再び僕に教えてくれた。ありがとう、そして僕らはもっと強くなって戻ってくる」 (c)AFP