【5月27日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)は26日、第20ステージ(スサからチェルビナイア、214キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が事実上の大会総合初優勝と三大ツール(グランツール)3連勝を決めた。フルームの元同僚であるミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のミケル・ニエベ(Mikel Nieve、スペイン)が逃げ切って、ステージ優勝を果たしている。

 33歳のフルームは、これでローマ市内を周回する最終ステージ(115キロメートル)でアクシデントが発生しない限り、前年のツール・ド・フランス(2017 Tour de France)、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2017)から続くグランツール3連勝を達成する。これまでグランツールを3大会連続で制覇しているのは、エディ・メルクス(Eddy Merckx)氏とベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏の2人だけだが、このままいけばフルームはレジェンドたちに肩を並べることになる。

 フルームは「まだ完走はしていないが、戦いは終わった。信じられない気持ちだ。今回のジロは猛烈なレースだった。誰か調子が悪そうだなと思ったら、30秒とか1分じゃなく、10~15分遅れるレースだった」とコメントした。

「きょうはティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)が苦しんで、そしてアスタナ(Astana Pro Team)がギアを上げたから、僕らはトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)の動向だけに集中した。最後は集団の先頭でフィニッシュしようと思ってスプリントした」

 前半戦は落車だけでなく山岳ステージでも苦しんだフルームは、第19ステージの開始時点では、総合首位に立っていたミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)に3分以上の差をつけられ、総合優勝は現実的に難しいかに思われた。

 ところがその第19ステージで、フルームはチームの大胆な作戦にも支えられ、過酷なコッレ・デッレ・フィネストレ(Colle delle Finestre)の坂道から80キロの逃げを成功させて見事なステージ優勝を飾り、イェーツを30分以上後方に置き去りにするだけでなく、総合2位で前年覇者であるチームサンウェブ(Team Sunweb)のデュムランに40秒差をつけて首位に躍り出た。

 そして総合優勝を視界にとらえた今ステージでは、デュムランにまったく隙を見せずに同タイムでゴールへたどり着いた。このまま優勝すれば、フルームにとっては歴史的な逆転劇になる。

 一方、FDJのピノは総合表彰台の夢が潰えた。総合3位でステージに乗り出したピノだが、サン・パンタレオン(Saint-Pantaleon)の峠へ至る12キロの上り坂でメイン集団から脱落すると、峠では21分、ゴール地点では45分遅れる大失速。その後、棄権を発表した。(c)AFP