【5月27日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と安倍晋三(Shinzo Abe)首相は26日、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)で会談し、ロシアでは南クリル諸島(Southern Kurils)、日本では北方領土(Northern Territories)の名で知られる千島列島の4つの島の領有権問題の解決と平和条約の締結に向けて着実に前進していくと表明した。

 プーチン大統領は会談後の記者会見で「ロシアと日本の利益を満たし、両国が受け入れられる解決策を粘り強く模索し続けていくことが重要だと考える」と述べ、ロシアは日本人の北方領土訪問を「支援」する意向だと語った。

 安倍首相は、この紛争の解決は容易ではないが自分たちのうちに終わらせたいと述べたほか、ロシアが日本人の北方領土での親族の墓参りを許可したことに日本政府として「感謝」の意を表した。

 両首脳は北朝鮮問題についても協議した。プーチン大統領は北朝鮮問題に関わる国々に自制を求め、問題を政治・外交レベルにとどめ新たな対立を引き起こさないよう呼び掛けた。安倍首相は、最も重要なのは北朝鮮が完全で不可逆的な非核化を実施することだと述べた。

 ロシアと欧米諸国の間で緊張が高まる中、プーチン大統領と安倍首相は両国の協力関係を強化する姿勢を示した。(c)AFP