【5月27日 AFP】フランス東部で26日、ルイ16世(Louis XVI)の時代にさかのぼる1774年産の黄ワイン、ヴァン・ジョーヌ(Vin Jaune)3本が競売に掛けられ、このうちの1本が史上最高額となる10万3700ユーロ(約1320万円)で落札された。残る2本も7万6250ユーロ(約970万円)と7万3200ユーロ(約930万円)で、共にこれまでの記録を上回る価格で落札された。

 3本は現存するワインとしては世界最古級とされるもの。18世紀に黄ワインの特産地である仏東部ジュラ(Jura)県アルボワ(Arbois)のワイン醸造業者アナトワール・ヴェルセル(Anatoile Vercel)が生産し、その子孫が8代にわたって保管してきた。1994年に3本をテイスティングしたワイン専門家らは「クルミ、スパイス、カレー、シナモン、バニラ、ドライフルーツの風味」と表現し、10点満点で9.4点を付けている。

 競売を主催したジュラ・アンシェール(Jura Encheres)のブリジット・フェノー(Brigitte Fenaux)氏は、3本に「これほどの高値が付くとは思っていなかった」と述べた。これまでの記録は2011年に落札されたワインの5万7000ユーロ(約730万円)だという。落札者はカナダ人とフランスとゆかりのある米国人の代理人らで、フェノー氏は「競売会場内のワイン生産者たちは拍手喝采した。みな幸福そうで感動的な場面だった」と語った。(c)AFP