【5月27日 AFP】米大リーグ(MLB)、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)の秋信守(Choo Shin-soo)外野手が、26日のカンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)戦でアジア出身選手としてはMLB最多となる通算176号本塁打を放ち、松井秀喜(Hideki Matsui)氏が持っていた記録を更新した。

 35歳の秋は、両チーム同点で迎えた延長10回裏、サヨナラ本塁打を放ってチームを4-3の勝利に導いた。内野に影が広がる中、日なたの残った本塁でこのところ15連続アウトを取っていたケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)と相対した秋は、カウント3ボール1ストライクからの5球目を左翼席にたたき込み、松井氏の記録を塗り替えてメジャーの歴史に名前を刻んだ。

 球団のウェブサイトに掲載された記事で、秋は「ボールが見えづらかった。2球目まで全然見えなくて、すごく暗くて回転も分からなかった。だけどカウントが3-1になったから、あるコースだけを見据えて思い切り振った」とコメントした。

 キャリア3本目となるサヨナラ本塁打は、アジア出身選手としての秋にとって記念の一発となった。

 秋は「あまり心配はしていなかった。気にはしていたけど、大リーグで長くプレーしているし、負傷せずハードなプレーができていたから、いずれ出ると思っていた。自分は純粋なホームランバッターじゃないから、記録を達成できるとは思っていなかった。健康を保ち、チームのワールドシリーズ制覇に貢献する努力を続けてきた結果だと思う」と話した。

 球団はツイッター(Twitter)で、「レンジャーズからお願いです。秋のホームランは、アジア出身選手のMLB最多本塁打記録で、ロイヤルズのブルペンに飛び込んだ後、外野席の幸運なファンの元へバウンドしていきました。率直に言って、秋は記念球を欲しがっています」と、ボールを事務局に届けてほしいと訴えている。

 序盤0-3からの逆転勝利で、ここ5試合で4勝目を挙げたレンジャーズだが、それでも戦績は22勝32敗で、ア・リーグ西地区首位を走る前年王者ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)とは12ゲーム以上の差をつけられて最下位に沈んでいる。(c)AFP