【5月27日 AFP】パペットが出演するクライムコメディー映画のプロモーションに米国生まれの子ども向けテレビ教育番組「セサミストリート(Sesame Street)」を想起させる表現が使われており、セサミブランドの「イメージを損なっている」として、セサミの制作に携わる非営利団体がこの映画の制作会社STXエンターテインメント(STX Entertainment)を相手取り米マンハッタン(Manhattan)の連邦地裁に提訴した。

 8月公開予定の映画『ハッピータイム・マーダーズ(原題:The Happytime Murders)』は主演女優のメリッサ・マッカーシー(Melissa McCarthy)がパペットの探偵と協力しておぞましい連続殺人事件を解決する内容だが、そのプロモーション映像に「NO SESAME. ALL STREET」というフレーズが含まれていた。

 非営利団体セサミ・ワークショップ(Sesame Workshop)は声明で「子ども向け教育番組のセサミストリートが、このR指定(入場制限付き)映画の販促に悪用されていることに驚き、失望している」と述べた。

 セサミ・ワークショップは、公開されたばかりのトレイラーに含まれているセサミストリートとの関連を想起させる表現が「セサミおよびその信用とブランドを取り返しが付かないほどに損なう」と主張している。

 訴状によると、このトレイラー映像には、人間とパペットによる下品な発言の連発、人間とパペットによる違法薬物の使用、人間に性的なサービスを持ちかけるパペットの売春婦、銃の使用をはじめとする暴力表現、パペットの性交場面などが含まれていた。

 セサミ・ワークショップはSTXエンターテインメントにトレイラーをはじめとする宣材から「セサミ」の名前を削除するよう求めたが、拒否されたという。

 このトレイラーは一部の映画館で上映されているほか、18歳以上ならばオンラインでも閲覧可能だ。

 セサミ・ワークショップは今回の訴訟で、金額は明らかにしていないが損害賠償と、この映画のプロモーションを変更することを求めている。(c)AFP