【5月27日 AFP】アイルランドで25日に投票が行われた人工妊娠中絶を禁じる憲法条項撤廃の是非を問う国民投票は26日、最終結果が発表され、条項撤廃賛成が66.4%、反対が33.6%で中絶が合法化されることが決まった。投票率は64%だった。

 ダブリン城(Dublin Castle)の中庭に詰め掛けた大勢の人たちは、最終結果が発表されると抱き合ったり歌を歌ったりして盛大に喜びを表した。

 レオ・バラッカー(Leo Varadkar)首相はダブリン城でスピーチし、歴史的な国民投票の結果について「静かな革命が起きた」と述べた。「もう中絶は恥辱ではなくなった。秘密のベールは外された。もう孤立することはない。恥の重荷はなくなった」

 バラッカー政権は妊娠12週までの中絶を認め、12~24週では例外的な状況のみ中絶を認める法案を提出している。バラッカー首相はすでに年内に新法を施行したい意向を示している。サイモン・ハリス(Simon Harris)保健相はAFPに対し、29日に閣議を開いて新法案を承認する予定だと語った。

 今回の国民投票結果はアイルランドのカトリック教会にとって3年前の国民投票で同性婚が62%の賛成で合法化されたことに続く打撃となった。子どもに対する一連の性的虐待スキャンダルを受けて近年教会の影響力は大幅に弱まっていた。(c)AFP