【5月26日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)は25日、第19ステージ(ベナリア・レアーレからバルドネッキア、185キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が独走でステージ優勝を果たすと、ピンクジャージーも奪取して再び大会初制覇に近づいた。前日まで総合首位を維持していたミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)は、残り80キロメートルで脱落する展開となった。

 ピンクジャージーを着用してから13番目のステージに臨んでいたイェーツは、前日までフルームに3分22秒差をつけていたものの、最後から2番目となる山岳ステージの名物コッレ・デッレ・フィネストレ(Colle delle Finestre)の険しい峠で大きく失速し、残り80キロでアタックを仕掛けたフルームに30分以上も遅れてのフィニッシュとなった。

 一方のフルームは、4人による追走集団の連携が欠けていたおかげで、セレストリエーレ(Sestriere)の山頂につながる起伏の激しい区間で徐々にリードを拡大。ベルギーの名選手エディ・メルクス(Eddy Merckx)氏の記憶を呼び起こすような走りで独走態勢を築き、約5時間半でステージを制した。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)で通算4勝を誇るフルームは、「これまで80キロを残して自分だけでアタックし、そのまま独走したレースは記憶がない。だけど、チームが素晴らしい仕事をしてお膳立てしてくれた。きょうは本当に特別な日になった。とにかくサイモンたちを全員追い抜いたんだからね」と喜んだ。

「総合4位から1位になるために、 最後の山岳ステージだけでは無理があったので、そこまでに引き離す必要があった。その点でコッレ・デッレ・フィネストレは最適な場所だった。いけると感じてここを逃したら最後だと言い聞かせた。とにかく行くしかなかった」

 スサ(Susa)からチェルビナイア(Cervinia)まで214キロメートルに及ぶ山岳ステージ最終日の第20ステージを前に、総合順位ではフルームと40秒差で大会連覇を目指すチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)が2位につけている。

 FDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)とデュムランを含めた4人の追走集団は、フルームに最後まで追いつけずにトップから3分以上遅れでフィニッシュ。バーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(Domenico Pozzovivo、イタリア)も苦戦を強いられてタイムを失い、ピノがフルームに4分17秒差の総合3位に浮上した。(c)AFP