【5月26日 AFP】欧州連合(EU)が最重要と位置付ける個人情報保護の新規制「一般データ保護規則(GDPR)が25日に施行された。これにより欧州から一部の米主要ニュースサイトにアクセスできなくなっている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)やシカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)などを欧州から閲覧しようとすると、「残念ですが、現在欧州の多くの国から私どものウェブサイトをご利用いただくことはできません」というメッセージと共に、欧州からのアクセスを再開できるようGDPRに適合するための対策を検討中だとの説明が表示される。

 これとは別にオーストリアの個人情報保護活動家マックス・シュレム(Max Schrems)氏が、米フェイスブック(Facebook)とグーグル(Google)がここ数週間、ポップアップ画面で利用者に新しい利用規約への同意を要求しているのは事実上ユーザーに「同意を強制」するシステムになっていると問題視。施行当日の25日、GDPRの下で初となる正式な不服を当局に申し立てた。

 EUは最近のフェイスブックによるデータ収集スキャンダルを受け新たな基準を設定したと説明し、GDPRはウェブ誕生後のデータ保護規制で最大の改革だとしている。

 しかし、事態を憂慮した企業が利用者から明示的な同意を取り付けようと急ぎ大量の電子メールやメッセージを送ったため、EUは利用者から批判も受けている。ソーシャルメディアでは大量のスパムが終わることを祝い、皮肉を込めて「#HappyGDPRDay」のハッシュタグが急増している。

 5億人のEU市場を規制するGDPRに違反した企業は、最大2000万ユーロ(約26億円)または年間世界売上高の4%の制裁金を科される可能性がある。(c)AFP/Danny KEMP