【5月25日 AFP】米アリゾナ州テンピ(Tempe)で3月、配車アプリ大手ウーバー(Uber)の自動運転車に女性歩行者がはねられ死亡した事故に関し、衝突の6秒前に車が歩行者を検知したものの、自動緊急ブレーキ(AEB)が作動しなかったことが明らかになった。米運輸安全委員会(NTSB)が24日、初期調査報告書を発表した。

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 同委員会は、今回の報告書で責任の所在は特定していないとし、結論は今後の報告書で明らかになると説明した。

 一方、報告書は、自動運転システムは歩行者を検知した後、衝突の1.3秒前に緊急ブレーキが必要だと判定したが、事前にウーバーの技術者らがAEBシステムが作動しないよう設定していたとも指摘している。AEBを無効にした理由は「車体に不規則な挙動が生じる可能性を下げるため」とされている。

 また、緊急事態に備えて乗車していた運転手は衝突まで1秒を切った時点で事故回避の操作をしたが、衝突は避けられなかった。

 報告書によれば、歩行者は暗い色の服を着て、側面に反射板のついていない自転車を押しながら、車道の街路灯のない地点を横断していた。さらに、歩行者に対する薬毒物検査の結果は「メタンフェタミンとマリフアナが陽性」だった。(c)AFP/Rob Lever