【5月24日 AFP】タレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんや歌手のリアーナ(Rihanna)さんがお気に入りの仏パリの一流レストランが、アラブ人やアフリカ人、ベールをかぶった人などの予約を一律断ろうとしていたとの非難を受けて先週、当局の調査が開始された。

 米メディアのバズフィード(BuzzFeed)の報道によると、シャンゼリゼ(Champs Elysees)通りの近くにある高級レストラン、「ラブニュー(L'Avenue)」では、アラブ人らしき名前の顧客からの予約を特に断る「正真正銘の差別システム」を導入していたという。

 接客係をしていた女性4人の証言に基づいた調査では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーンなど中東諸国からの観光客も、満席だと告げられていたことが明らかになった。「ベールをかぶった女性が来店した場合はたとえ満席でなくても、満席だと言われるようになっていた」という。元接客係らによれば現在もこのシステムのままだという。

 バズフィードは疑惑の裏付けとなりそうなスタッフ間のテキストメッセージのスクリーンショットや、フロントデスクに置いて湾岸地域4か国の市民からの予約を断るために使われたとみられる電話の国番号のリストを公開した。

 ジャック・トゥーボン(Jacques Toubon)権利擁護官は調査の立ち上げを発表する中で、同店は顧客の「容姿でも差別していた」とも非難されていると明かした。

 バズフィードの取材に応じた元従業員は、外から見て目立つテラスや1階に「見栄えが良い」顧客を座らせるよう店側から命じられていたと語った。

 同店のマネージャー、アレクサンドル・デニス(Alexandre Denis)氏は疑惑を否定しているという。(c)AFP