【6月10日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2018)は9日、女子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)が3-6、6-4、6-1の逆転で第10シードのスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)を下し、「夢」の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした。

 これまでグランドスラムの決勝に3度(全仏オープンでは2度)勝ち進みながら、いずれも涙をのんできた世界ランキング1位のハレプは、この日も先にセットを落とし、続く第2セットも1ブレークダウンとリードを許したが、そこから見事な挽回劇を披露して悲願のタイトルをつかんだ。

 前回大会決勝は1セットアップとして続くセットも3-0とリードしながらエレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)に苦杯をなめたハレプだが、この日の最終セットではわずかに5本のアンフォーストエラーしか犯さない圧巻のプレーを見せ、昨年の悪夢を払拭(ふっしょく)する上では完璧な勝ち方となった。

「最後のゲームでは、もはや呼吸さえできない感じがした」と感情をコントロールするのが難しかったと明かした26歳のハレプは「去年は負けた側だったから話すのは大変だったけど、こうして勝者としてスピーチをするのは感動的。14歳の時からこの瞬間を夢見ていた」と喜んだ。「去年の二の舞にはなりたくなかった。夢だったし、ここパリで成し遂げられたのは本当に特別」

 一方、一時は6-3、2-0とリードして自身2個目のグランドスラムタイトルに手をかけたかにみえた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)覇者のスティーブンズだったが、暑さとハレプの巻き返しを前にして失速した。それでも、試合後には「素晴らしい大会になった。望んでいたトロフィーではないけど、美しいことに変わりない」と満足感を示した。(c)AFP/Jed Court