【5月24日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に臨むフランス代表で、最終メンバーから落選したパリ・サンジェルマン(Paris Saint GermainPSG)のアドリエン・ラビオ(Adrien Rabiot)が、代表の予備登録メンバーとしての役割を拒否したことを受け、ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が「大きな過ちを犯した」と苦言を呈した。

 代表はこの日、最終登録の23人が仏クレールフォンテーヌ(Clairefontaine)の練習施設に集合。しかし、すでに本登録から漏れているラビオは、11人の補欠の1人として「練習をこなすことはできない」とデシャン監督にメールを送ったという。

 W杯の登録メンバーには、本登録の23人と予備登録の選手がいて、本メンバーにけがなどがあった場合、6月4日までであれば予備登録の選手を追加招集できる。代表で6試合に出場しているラビオは、この予備登録メンバーに選出されていた。

 そして今回デシャン監督は、前回のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)や欧州選手権(UEFA Euro 2016)前の合宿とやり方を変え、予備登録の11人は合宿に呼ばず、自主練習を続けながらすぐに連絡のつく状態を保つよう求めていたが、ラビオはその役割は受け入れられないと判断した。

 これを受けて監督は「非常に落胆しているのは理解できるが、勝手な判断をして、自分で自分を外したようなものだ。今回のことを教訓にして、大人になってほしいと心から願う。最高レベルの戦いに、気分屋の居場所はない。どんな状況でも、プロフェッショナルでいることが求められるんだ」とコメントした。

 そしてラビオがいつか代表に戻ってくる可能性については「私から極端な立場を取ることはない。誤った判断で急停止したのは彼自身だ」と話した。

 デシャン監督に先立って、フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長も「誤った判断を行い、自分で自分を罰する結果になった」と話している。会長は「質の高い選手で、人間としても好青年。代表での振る舞いも常に良かった」とラビオを評したうえで、「がっかりしているからといって、自分で代表を諦め、選べないと自分で決めていいことにはならない」と続けた。

 メッセージの文言を直接目にした人物によると、文章は短いものだったが、弁護士が書くようなフレーズが多く使われていたという。(c)AFP