【5月23日 AFP】英イングランド(England)中部にあるバーミンガム刑事法院(Birmingham Crown Court)は23日、10代の娘をだまし、パキスタンに渡航させて結婚を強いた母親に対し、禁錮4年6月の有罪判決を言い渡した。

 これに先立つ22日、この女に対して陪審は有罪評決を下していた。

 判決公判で裁判官は「あなたは残酷にも彼女(娘)を欺いた。彼女は恐れていた結婚を強いられ、おびえ、孤立し、意思に反して拘束された」と述べた。

 公判で娘の女性は、16歳年上の親戚の男と結婚した経緯を涙ながらに説明。まだ13歳だった頃、パキスタンを訪れた際に男から処女を奪われて妊娠し、英国に戻り中絶手術を受けた。

 だが検察によると、彼女をめぐる福祉状況に懸念が示された際、母親は「10代の2人が隠れて性交した」結果だと話してかわしていたという。

 さらに審理の席で娘の女性は、18歳の誕生日が近づいた際、母親に家族旅行とだまされてパキスタンに戻らされたと証言。

 女性は抵抗したにもかかわらず2016年9月に先の男と結婚させられたが、英内務省(Home Office)の支援を受けて帰国し、母親は2017年1月に逮捕された。

 母親は強制結婚や偽証の罪だけではなく、娘をだまして海外に渡航させ、不正な結婚をさせた罪で有罪となった。この罪状で有罪判決が言い渡されるのは今回が初めて。

 英国では強制結婚を禁止する法律は2014年6月に施行されたが、起訴に至るケースはまれだという。(c)AFP