【5月23日 AFP】南アジア諸国で、生理期間中に学校を休む女子生徒が全体の3分の1超に上っていることが、22日に発表されたNGOなどの報告書で明らかになった。トイレ数の不足のほか、生理中の女性を不浄する慣習などを原因に挙げている。

 報告書は、水・衛生問題に取り組む国際NGOウォーターエイド(WaterAid)と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)がまとめたもの。それによると、南アジア諸国では初潮を迎えるまで生理のことを知らない少女も多く、スリランカではその割合が3分の2に達していた。

 人口が17億人を超える南アジアでは、多くの学校が十分な数の女子トイレを備えていない。これに加え、適切な生理用品が手に入らない事情もあり、一部の女子生徒は生理期間中は家にいることを選んでいる。

 ウォーターエイドのティム・ウェインライト(Tim Wainwright)最高経営責任者(CEO)は「女の子には、教育を受けるという奪うことのできない権利がある。だが、彼女たちが生理用品や清潔な個人用トイレがないために授業を受けられないと感じているとき、その権利は失われてしまっている」と指摘。その上で各政府に対し、すべての学校で清潔な水ときちんとしたトイレ、それに良い衛生状態を確保する必要があると訴えた。

 報告書によれば、ネパール東部のある地区では女子生徒170人に対してトイレが1つしかなかった。25人に1つのトイレの設置を推奨している世界保健機関(WHO)の基準からほど遠く、他の南アジア諸国もこの国際基準に届いていない。(c)AFP