【5月22日 AFP】(更新)インド南部で、オオコウモリが媒介する致死性の高いニパ(Nipah)ウイルスに感染し、少なくとも10人が死亡した。保健当局が22日、発表した。さらに90人が隔離されているという。

 かつてカリカットと呼ばれたケララ(Kerala)州のコジコーデ(Kozhikode)地区の保健当局職員はAFPに対し、「18人のサンプルを検査に送った。その中から12人のサンプルに陽性反応が出て、うち10人が死亡、残りの2人は治療を受けている」と述べた。

 死者のうち3人は同じ家族で、自宅の井戸から死んだコウモリが発見されている。

 ケララ州当局は感染拡大を防ぐため緊急措置を取るよう命じた。当局によると、死亡者と接触があった90人以上が、現在も隔離されている。

 世界保健機関(WHO)によると、ニパウイルス感染症は1998年以降にマレーシア、バングラデシュ、インドで流行し、260人以上が死亡。致死率は70%近いという。

 またニパウイルスには有効なワクチンが存在せず、インフルエンザに似た症状などを引き起こし、苦しみながら脳炎や昏睡(こんすい)状態に陥るという。

 WHOはニパウイルス感染症を、エボラ(Ebola)熱やジカ(Zika)熱と共に、エピデミックを引き起こす優先度の高い伝染病8種のうちの一つに指定している。 (c)AFP