【5月21日 AFP】タイ南部の各地で、反政府イスラム武装勢力が20日夜にかけて計20以上の手製爆発物を起爆させた。同国軍が21日、明らかにした。一連の攻撃は、軍事政権が進展していると主張する武装勢力との和平交渉に水を差すものとなった。

 仏教徒が多数を占める同国では、14年前からマレーシアと国境を接する南部地域で、マレー系武装勢力と政府との衝突が続いており、これまでに7000人近くが死亡している。

 20日にはイスラム教徒が多い4県の各地で、武装勢力とみられる者らが現金自動預払機(ATM)14か所や電柱2か所をはじめ、その他公共スペースや治安上の拠点に対し、ここ数か月で最大規模となる攻撃を仕掛けた。

 一連の爆発による死者はいなかったが、軍事政権による和平交渉の努力に真っ向から挑む姿勢を示した形だ。

 攻撃は主に、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の最中に頻発。今年のラマダンも先週始まっている。(c)AFP