【5月21日 AFP】中国は21日、月の裏側に送る探査機と地球との間での通信を可能にする中継衛星の打ち上げに成功した。年内に予定されている月の裏側での探査は、世界初のミッションとなる。

 中国国家航天局(CNSA)によると、中継衛星「鵲橋(Queqiao) 」は同国南西部の西昌(Xichang)衛星発射センターから、同日未明に打ち上げられた。

 国営新華社(Xinhua)通信は中継衛星プロジェクトの代表が、「今回の打ち上げは、月の裏面に探査機を送って軟着陸させ、探査を実施する世界初の国になるという目標達成のための鍵となる一歩だ」と話したと伝えている。

 中国は年内に、中国神話に登場する月の女神にちなんで名付けられた月面探査機「嫦娥(Chang'e)4号」を月の裏側に送る。今回打ち上げられた衛星は、地球上の管制官および嫦娥4号との間での通信を可能にする。

 月の裏側は、地球側からは直接見えることは決してなく、1959年以降撮影は行われてきたが、探査が行われたことはない。

 新華社によると、嫦娥4号は月の南極地帯にあるエイトケン盆地(Aitken Basin)へ送られる予定だという。(c)AFP