■特ダネでニューヨーク州司法長官を辞任に追い込む

 ファロー氏は今月8日、再びテレビで話題をさらった。ニューヨーク州司法長官のシュナイダーマン氏から暴行を受けたと主張する女性4人のインタビューがニューヨーカーに掲載されてからわずか数時間後、同氏は辞任。記事を共同執筆したファロー氏は、この一件について英ロンドンから米CNNの番組に出演した。

「そういうプレー」だったというシュナイダーマン氏の釈明に対して冷静かつ歯切れよく切り込み、「これは(映画の)『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(Fifty Shades of Grey)』ではない。グレーゾーンは全くなかった。彼女たちは、実に恐ろしく深刻な虐待を訴えている」と反論した。

 ファロー氏がセンセーショナルな特ダネを連発することから、以前の雇い主NBCニュース(NBC News)に対して、彼の才能を見いだせなかったことへの非難も起きたほどだ。

 その2週間前の4月24日、ファロー氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権が大幅な予算削減を進める中、「平和との戦い──外交の終焉と米国の影響力低下(原題:War on Peace: The End of Diplomacy and the Decline of American Influence)」を出版した。

 同書でファロー氏は、ヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)氏からレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)氏まで、存命中の歴代国務長官の一人一人にインタビューを行い、米国の影響力が数十年前から低下しつつある事態がバルカン半島からアフガニスタン、中国、北朝鮮にまで及んでいると論じている。