【5月21日 AFP】ギリシャ第2の都市、テッサロニキ(Thessaloniki)で19日、式典に出席していたヤニス・ブタリス(Yiannis Boutaris)市長(75)が極右団体のメンバーとみられる集団に襲われ、翌20日に病院へ搬送された。

 ブタリス市長は19日、第1次世界大戦(World War I)の戦中・戦後にトルコの黒海(Black Sea)沿岸で虐殺されたギリシャ系住民の追悼式典に出席していたが、これに怒った群衆が暴徒化し、市長を襲撃。

 式典の映像によると市長は当初やじを飛ばされていたが、会場を後にする際に物を投げつけられ、地面に転倒するなどした。さらに暴行に加わった群衆の一部は市長の車をたたき、車がスピードを出して走り去る前には後部の窓ガラスを破壊した。

 市長はすでに退院しており、国営アテネ通信社(ANA)に対し「群衆は蹴りや拳でいろんな箇所を打ってきた」「卑劣な攻撃だが、私は無事だ」と語った。

 ギリシャ首相府は事件について「極右の暴漢」による襲撃だと非難。警察は20日、事件との関連で2人を拘束した。

 一方、同国の極右ネオナチ政党「黄金の夜明け(Golden Dawn)」のニコラオス・ミハロリアコス(Nikolaos Michaloliakos)党首の娘であるオウラニア・ミハロリアコス(Ourania Michaloliakou)氏は19日、ツイッター(Twitter)に「テッサロニキで義務を果たした全員に敬意を表し、1000回ブラボーと叫びたい」と投稿した。オウラニア氏は普段からブタリス市長を「反ギリシャ的」だと非難している。(c)AFP