【5月20日 AFP】キューバのアデル・イスキエルド(Adel Yzquierdo)運輸相は19日、同国国営航空機が離陸直後に墜落した前日の事故で110人が死亡、3人が負傷したと明らかにした。

 これに先立ち、乗員乗客110人のうち3人が生存し、107人が死亡したとされていたが、情報が更新された。

 同運輸相によれば、死者のうち99人はキューバ人で、ほかにメキシコ人の乗員6人、西サハラ出身の乗客2人、メキシコ人旅行者1人、アルゼンチン人カップル1組が含まれる。

 同運輸相は国営メディアに対し、事故機からブラックボックス1個が「良好な状態」で見つかったと語り、「残りの一つも、もう数時間で入手できるはずだ」とした。

 キューバは事故から一夜明けたこの日、国家的服喪を開始した。ミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)国家評議会議長とラウル・カストロ(Raul Castro)前国家評議会議長は、服喪期間は21日午前0時(日本時間午後1時)までの2日間続くと表明している。

 事故機は1979年に製造されたボーイング(Boeing)737型機で、メキシコの小規模企業グローバルエア(Global Air、別名Aerolineas Damoj)からキューバ航空(Cubana de Aviacion)にリースされていた。

 グローバルエアは航空機3機を所有し、そのすべてがボーイング737型機。同社は、同型機をリースするため必要な許可を得ており、昨年11月の監査に合格していたと説明している。

 しかし、事故機を操縦した経験のあるメキシコ人パイロット、マルコ・アウレリオ・エルナンデス(Marco Aurelio Hernandez)氏は19日、メキシコ紙「ミレニオ(Milenio)」に対し、グローバルエアは航空機の保守管理が不十分で、チリ国内での飛行を禁止されたほか、ベネズエラではレーダーなしで夜間飛行を行ったことがあると述べた。

 エルナンデス氏は2005年から2013年までの間に、事故機を含むグローバルエア所有のボーイング737型機すべてを操縦した経験があるという。

 同氏はグローバルエアで勤務していた当時、同社には「とても熟練した」航空整備士たちがいるにもかかわらず「機体の保守管理が不十分」だとして、正式に申し立てをしたことがあると語った。

 グローバルエアの広報担当者はAFPに対し、エルナンデス氏が同社に所属していたことを確認したが、同氏の主張についてはコメントを拒んだ。(c)AFP