【5月20日 AFP】ベルギーで、警察が追跡していた不法移民を乗せたワゴン車に同乗していた2歳のクルド系の女児が、顔に銃弾を受けて死亡した。検察当局が18日、発表した。警察はカーチェイスの末、ワゴン車を停止させるために発砲していた。

 警察は、ナミュール(Namur)とモンス(Mons)郊外のメジエール(Maisieres)を結ぶ幹線道路で、ワゴン車を止めさせるために発砲。両親と共にワゴン車に乗っていた女児は、病院に向かう救急車の中で死亡した。ワゴン車に乗っていたのは30人、うち26人は大人、で全員クルド系の人々だった。

 フレデリック・バリゾー(Frederic Bariseau)検察官は記者会見で、「検視の結果、女児の死因は、頬から入った銃弾だと断定された」と述べた。

 バリゾー検察官は、女児が死亡した状況を明らかにするため、警察は内部調査を開始しており、女児が受けた銃弾は警察官が発砲したものか、他に発砲された銃弾はなかったか、ワゴン車に乗っていた誰かが銃を持っていた可能性はないかなどについて調べていると述べた。

 一方で同検察官は、「(武器の使用などに関する規定は)厳密だ。警察官は自分の身が危険だと判断した場合、自発的に発砲してよいことになっている」と述べた。(c)AFP/Zoé LEROY