【5月20日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)は19日、第14ステージ(サンヴィート・アル・タリアメントからモンテ・ゾンコラン、186キロメートル)が行われ、総合優勝を目指しながらもここまで苦しんでいたチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)がステージ優勝を飾った。フルームは「まだ終わっていない」と話し、総合首位をキープしたミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)らライバルをけん制している。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)総合優勝4回を誇るフルームだが、ここまでは第1週での落車や山岳ステージでの苦戦を強いられ、表彰台入りも難しくなっていた。それでもこの日はイェーツとの息詰まる一騎打ちを制し、モンテ・ゾンコラン(Monte Zoncolan)の山頂フィニッシュという権威あるステージを力強く制した。

 フルームは「この上り坂の頂上で勝てて格別だ。特に今大会は序盤が苦しかったからね。今回のジロ・デ・イタリアを代表するものすごいヒルクライムだった。偵察の段階で残り4キロがアタックに最適の場所だと思っていた。ゴール直前で振り返ったらイェーツがすぐ後ろにいたから、勝ててホッとしている」とコメントした。

 今大会のステージ初勝利を挙げたフルームだが、総合争いでイェーツとは3分10秒の開きがある。それでもフルームは「大会の終盤に向けて自信になる。まだ終わっていない」と話した。フルームは1982-83年のベルナール・イノー(Bernard Hinault)以来となる三大ツール(グランツール)3連勝を目指している。

 一方のイェーツも、総合優勝を争うライバルたちとのタイム差を広げた。ピンクジャージーをまとったイェーツは、平均傾斜12度に達し、欧州で最も過酷とも言われる最後の10キロの上り坂をフルームと6秒差の2位で走り終えた。ジロで英国選手がワンツーフィニッシュを飾るのは、2013年大会のアレックス・ドーセット(Alex Dowsett)とブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)以来、2回目となる。バーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(Domenico Pozzovivo、イタリア)が23秒差の3位に入っている。

 ゾンコランの最後のカーブを曲がるまで、フルームとイェーツはスリリングな戦いを続けた。残り4.2キロでフルームが仕掛けた後、最大で15秒まで開いた差をイェーツは必死に縮めたが、最後は及ばなかった。スカイ勢では、上り坂の前半でワウト・プルス(Wout Poels、オランダ)が見せた素晴らしいアシストも光った。

 イェーツは「このステージを取るつもりでいた。クリスをとらえようと全力を尽くした。ほんの少し届かなかったけど、マリア・ローザ(総合優勝)に関して言えば、ここで2位に入れたのはすごく良かった」とコメントした。

 標高1730メートルの山頂で、イェーツは他の総合勢とのタイム差を軒並み広げた。前年王者のチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)は、5位でフィニッシュしたがイェーツとのタイム差は1分24秒に拡大した。(c)AFP