【5月20日 AFP】イングランドFAカップ(FA Cup 2017-18)は19日、決勝が行われ、チェルシー(Chelsea)はエデン・アザール(Eden Hazard)がPKで挙げた1得点を守り切り、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を1-0で退けて優勝した。退任もうわさされるアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督だが、自分は「優勝請負人だ」と話し、苦しかったシーズンの最後にタイトルを獲得した実績を強調している。

 チェルシーは前半22分にアザールのゴールで先制すると、後半はユナイテッドの猛攻をしのいだ。昨季のイングランド・プレミアリーグ王者チェルシーは、今季のリーグ戦で5位に終わり、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)出場権も逃したが、コンテ監督はクラブ最終戦になる可能性もある試合でタイトルを獲得。今季初めてFAカップで先発した正守護神のティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)も、後半に好セーブを見せて相手の攻撃を食い止め、起用に応えた。

 以前から不透明になっている自身の去就について、コンテ監督は「何かあるとすれば、私に最初に話があるはずだ。指揮官は私で、ここはイングランドや世界でも有数のビッグクラブだし、クラブは私に多くを要求する権利がある」と話したうえで、指導者になってから初めてトーナメント方式の大会を制した点をアピールした。

「この難しいシーズンの中でも、私は優勝請負人であることを証明した。これは事実だ。こうした形で、こういうシーズンに手に入れた優勝は、過去の優勝よりも達成感がある」

 一方、今季無冠が決まったユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、深い位置に構えて先行逃げ切りを図っているようにみえたチェルシーの戦い方を批判し、「勝ったことにはおめでとうと言いたいが、彼らは優勝にふさわしくないと思う」とコメントした。

 モウリーニョ監督のユナイテッドは、リーグ2位ながら優勝した同都市のライバル、マンチェスター・シティ(Manchester City)に勝ち点19差をつけられ、守備的な戦い方がたびたび批判されてきた。モウリーニョ監督は「きょうのチェルシーのようなプレーをわれわれがした場合、皆さんが何を言い、何を書くのか、非常に気になるところだ。だいたい想像はつくが」と話している。

 チーム得点王のロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)を先発で使えなかったのも響いた。足首を痛めていたルカクはなんとかこの試合に間に合ったものの、ベンチメンバーに入るのがやっとだった。

 モウリーニョ監督は、ルカクのこの試合にかける姿勢に疑問をいだいているようで「ターゲットマンがいなければ難しい試合になるのは分かっていた。選手が出られない、先発は無理だと言ってきたら、あとは何分出られるかが問題になる。しかし、出られないと言っている選手をどうやったら説得できるというんだ?」とコメントした。(c)AFP/Kieran CANNING