【5月20日 東方新報】中国の60歳以上の人口が、2億2200万人に達した。中には慢性的な疾病を抱えている高齢者も少なくない。定期的に通院することが困難な人も多い中、看護師による訪問サービスの需要が急速に高まっている。

 そんな中、試験的に始まったのが「シェア看護師」というインターネットを使ったプラットフォームだ。

 利用者からは、「診察のために並ぶ時間が省けた」、訪問するの看護師側も、自分の技能を発揮する機会が増えたと、それぞれ好意的に受け止められている。利用者も提供者も満足できる、ウィンウィンのサービスと言える。

■中国の看護師、法律で働く場に制限

 しかし、不安要素も存在する。看護師と患者の間でいざこざが起こった場合や安全面のほか、看護師の能力が個人によって差があることなどだ。

 さらに法的な問題点もある。中国の「看護師職業登録管理方法」によると、看護師は「看護師就業証書」に登録された医療機関以外で働くことができない。

 医師の多拠点での就業が認められてから何年も経つが、看護師は未だに認められていない。中国のことわざで「治療3割、看護7割」と言われているのに、実際の法律は看護師にとって不公平だ。看護師の多拠点での就業が認められれば、「シェア看護師」の法律上の障害もなくなる。

 北京の政府は、「中堅病院で働く看護師が、診療所や私営医療機関、介護施設などでの就業を推進し、自宅療養や慢性疾病患者、高齢者への看護サービスを行えるようにすべきだ」としている。この理念こそ、看護師の多拠点就業を推し進めるものではないか。

「インターネット+看護」を育てることで、多くの国民が便利を享受することができるだろう。(c)東方新報/AFPBB News