【5月20日 東方新報】試合終了のホイッスルが鳴り響き、力の抜けた上海上港(Shanghai SIPG)の選手たちは、ピッチにうずくまった。彼らのAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2018)は幕を閉じた。

 17日に行われた決勝トーナメント1回戦、鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)との第2戦で2-1でゲームを奪った上海上港だったが、2試合の合計スコア(3-4)で鹿島に敗北を喫した結果、準々決勝進出を逃した。

 もし、AFCチャンピオンズリーグの過去成績のみで中国クラブチームの実力査定をするのであればさほど難しくない。広州恒大(Guangzhou Evergrande)は13年、15年の優勝チームで、上海上港は16年にベスト4入り。17年は4強のうち3チームを中国のクラブチームが占めた。

 中国のサッカーは近年、各クラブチームがこぞって高いレベルの外国人選手を招へいするなど、自国プロサッカーリーグのレベルを大きく発展させ、選手たちも自国リーグの国際化を促す喜ばしい一歩を踏み出してみせた。

■外国人選手には莫大な資金が伴う

 しかし、この進歩の背景には、「莫大な資金を投じる」政策が基本となっているため、外国人選手がケガなどの理由で戦列を離れたりすると、チームの実力は全体的に低下してしまう。上海上港がその典型例だ。

 序盤の上海上港は、まさに順風満帆だった。チーム内の3人の外国人選手の大活躍で最高のパフォーマンスをみせていたが、徐々に外国人選手や主力選手の疲労やケガがもとで、戦力が低下。特に主力外国人選手が疲労のピークにあることがわかりながら、監督は彼らを休ませることができなかった。

 ビトール・ペレイラ(Vítor Pereira)監督は、「現在のチームの陣容は薄く、選択肢も少ない。均衡を保つことで精一杯の状態だ。いち早くこの低迷から抜け出したい」とコメントした。

■日本サッカーは、長期的に選手を育成

 日本サッカーの根底にある強さは、年少期カテゴリーから代表チームまでの教育や政策の蓄積によるものだ。

 中国のサッカーが外国人選手の力を借りたとしても、「依存」しないサッカーを実現するためには、まず中国人選手が国家の代表チームとしてアジアトップ3への返り咲きを目指すという確実な道を歩まなくてはならない。しかし中国人選手らが台頭するまでの時間も必要である。(c)東方新報/AFPBB News