【5月17日 AFP】フィリピンの伝説的ボクサーであるマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は、7月に行われるルーカス・マティセ(Lucas Matthysse、アルゼンチン)とのWBA世界ウエルター級タイトルマッチの結果が、その輝かしいキャリアに終止符を打つかどうかの判断基準になるとしている。

 約1年間にわたりリングから遠ざかっていたパッキャオは、試合でコンディションをピークに合わせるべく、通常よりも2週間早くトレーニングを開始している。17日にはフィリピン・マニラで練習を終えた後、AFPの取材に対して、「これが最後だというつもりはないけれど、現役を続行するかどうか決めるための判断基準になるだろう。まだやれるのか否かを示すため、今回のファイトに向けて全力でトレーニングに臨んでいる」と語った。

 現在39歳のパッキャオは、前人未到の8階級制覇を成し遂げた実績を誇るものの、自分より4歳年下のマティセを含めてボクシング界からは、年齢を理由にトップレベルでボクシングを戦うことができるのかと疑問の声が上がっている。プロに転向して最初の47戦中38回を記録していたKO勝ちも、ここ9年間は遠ざかっている状況となっている。

 7月15日にマレーシアで行われるマティセとの一戦は、パッキャオにとってオーストラリアのジェフ・ホーン(Jeff Horn)にまさかの判定負けを喫したWBOウエルター級タイトルマッチ以来、1年ぶりの試合となる。一方のマティセは、今年1月にタイのテワ・キラム(Tewa Kiram)に勝利し、空位となっていたWBAのベルトを手にした。

 パッキャオは「(マティセ)は非常にアグレッシブなファイターだ。彼のスタイルに関して不安は抱いていない。心配なのは12ラウンドを戦い抜けるスタミナ、パワー、そして精神力で、100パーセントのコンディションが必要だということだ」と話しながらも、ファンはマレーシアで全盛期の自分を目撃することになるだろうと予言した。

「たくさんのパンチ、フットワーク、ヘッドムーブに平行移動をする若いパッキャオ。それがこのファイトでの目標だ」

 フィリピンで上院議員も務めているパッキャオは、最近の連敗がこれまでのキャリアを汚しているとの声を一蹴している。この日も友人で同じフィリピン出身のボボイ・フェルナンデス(Restituto“Buboy”Fernandez)氏とのスパーリングに臨んでいたパッキャオは先月、長年トレーナーを務めてきたフレディ・ローチ(Freddie Roach)氏との師弟関係を解消した際に、そのつらい心境を口にしていたが、両者を比較することはせずに、「ボボイはフレディ・ローチのスタイルに適応しているし、トレーニングの仕方も分かっているから、彼のことを信頼している」と話した。(c)AFP