■音を立てたり、滴らせたりは駄目

 フライ氏は客にお茶を出し、講義するときには人気TVドラマ「ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館(Downton Abbey)」の登場人物さながら、えんび服を着て白手袋をはめている。「いつも言っていることは、もちろんカップの持ち手は必ず3時の方向に向けること…スプーンは必ず6時と12時の方向に置く必要がある」

 繰り返し来訪したメーガンさんの態度は自然に見え、女王とお茶を飲むときに音を立てたり、ナプキンで鼻をかんだり、メガネを拭いたりといった間違いは犯さないはずだとフライ氏は続けた。「この国(米国)の習慣の一つとして、カップをいじったり、目の前で動かしたりすることがある点を注意した」と言うと、同氏は眉をひそめて「だが、これをするのは良くない」と述べた。

 メーガンさんに伝えたもう一つの禁止事項は、テーブルセッティングを変えることだったという。「宮殿でカトラリーや銀食器、陶器を正位置から動かすことは、夢にも思ってはならない」

 お茶と一緒に出される英国伝統のイングリッシュスコーンは、横2つに切って、ジャムとクロテッドクリームを乗せ、半分ずつ食べなければならない。フライ氏は「半分にした二つを一緒にしてはいけない。それではクォーターパウンドのハンバーガーみたいになってしまう。それから顎にクリームがたれるのは最も避けたい」と説明し、そしてどうか、お茶を飲むときに音を立てたり、スプーンでお茶をかき回す際にカップをカチカチ鳴らさないで欲しいと言い添えた。

 カップとソーサーを持つときに小指を曲げるかどうかは、ご自由にとフライ氏。「指を内側に折るのは悪いことではない。だが女性たちは小指をわずかに曲げる程度のことが多い」

 フライ氏はヘンリー王子とメーガンさんの19日の婚姻をパーティーで祝福すると述べ、新婚夫婦となる2人のためにテーブルはいつも用意しておくと語った。「彼女のテーブルはいつもここにある。もちろんヘンリー王子のもだ」とフライ氏。「本物のベーコンを味わいたいときは、ここに来て欲しい」(c)AFP/Jocelyne ZABLIT