【5月18日 AFP】(更新、写真追加)マレーシアの警察当局は18日、汚職疑惑の渦中にあるナジブ・ラザク(Najib Razak)前首相の関係先とされるクアラルンプール市内の高級コンドミニアムを捜索し、現金や宝石が詰め込まれた高級ブランドのハンドバッグを大量に押収した。

 警察は16日夜からナジブ氏の自宅や関係先の捜索を開始していた。マレーシア警察商事犯罪捜査班を率いるアマール・シン(Amar Singh)氏は18日、政府系投資会社「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」をめぐるナジブ氏や家族、側近らの巨額の不正資金疑惑に絡む捜索だったことを認めた。

 捜索先のコンドミニアム前で取材に応じたアマール氏は、「マレーシアリンギットや米ドルを含む複数の通貨や時計、宝石が入ったバッグ72個を発見した」と説明。押収されたのはエルメス(Hermes)やバーキン(Birkin)、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)などの高級バッグで、総額は莫大すぎて不明だという。

 地元メディアは、押収された紙箱やスーツケースが次々と警察の黒いトラックに運び込まれる様子を放映した。押収品全てを運ぶのにトラック5台を要したという。

 ナジブ前首相のロスマ・マンソール(Rosmah Mansor)夫人は、以前から国外に買い物旅行に出かけては高級ハンドバッグや衣類、宝石を大量に買い込んでいると伝えられ、国民から批判されていた。

 ナジブ氏が率いた与党連合は9日の総選挙で予想外の惨敗を喫した。勝利したマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)新首相(92)率いる政権は、ナジブ氏をめぐる数十億ドルもの政府資金の不正流用疑惑を徹底的に調査すると約束していた。(c)AFP