【5月18日 AFP】ペルーのマルティン・ビスカラ(Martin Vizcarra)大統領は、サッカー同国代表のパオロ・ゲレーロ(Paolo Guerrero)に対するドーピング違反による出場停止処分が撤回され、同選手が2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場できるよう国として支援することを表明している。

 ペルー代表の主将を務めるゲレーロは今月14日、薬物検査でコカイン代謝物質のベンゾイルエクゴニン(benzoylecgonine)に微量の陽性反応を示した問題をめぐり、スイスにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定で14か月の出場停止処分を科され、来月14日から7月15日までロシアで開催されるW杯に出場できなくなった。

 これを受けてビスカラ大統領は16日、ゲレーロが処分撤回を求めてスイスの連邦裁判所に上訴する意向であることを明らかにした。記者会見の席では、同選手と弁護士が「CASの裁定は適正手続きの保証を順守しておらず、その裁定の取り消しを求めて、スイスの連邦裁判所に上訴するつもりである」ことを公表。また、スイスのペルー大使館が「スイス連邦裁判所が処分を撤回するように、ゲレーロの弁護に関する取り組みを支援していく」と述べた。

 カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のフラメンゴ(Flamengo)でプレーするゲレーロは、13日に発表されたペルー代表の予備登録メンバー25人に名を連ねていた。しかし、薬物違反による6か月間の出場停止処分に不服を申し立てた同選手に対し、CASは聞き取り調査の結果、処分期間を14か月間に延長した。

 これで2019年1月まで資格停止処分となり、W杯に出場できなくなったゲレーロは、14日にリマ(Lima)で「私は不正の犠牲者だ。こんなことは予想していなかったし、プレーできないなんてひどすぎる。彼らは私から夢を奪い去った」と話し、今回の逆境に動揺していた。

 W杯の本大会で、ペルーはフランス、オーストラリア、デンマークと同組のグループCに入っている。(c)AFP