【5月20日 東方新報】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)上塘(Shangtang)派出所に、管轄内のある会社から通報があった。「半年も会社に住みついていた男を捕まえました」

 通報したのは保険業務を請け負う会社。通報によると、ここ数か月間、社内で不思議な出来事が頻発していたという。

 始めのうちは、食べ物がよく無くなった。ネズミでも出たのかと、気にとめる人はあまりいなかったが、ある日社員が出社した際に、机上に置いていた物の位置が変わっていたことに気づいた。さらに最近になると、社員の服や現金なども「紛失」するようになっていたという。

 さすがに社員たちも異変に気づき始めたが、一向に原因がわからず、犯人も見当たらなかった。しかし通報があった日、ある男性社員が見知らぬ男を社内で見かけた。よく見ると、その男は無くなったと思っていた自分のベルトを締めていた。そこで、社員たち数人でこの男を捕まえるに至ったという。

 警察の調べによると、社内で盗みを働いていた「コソ泥」の男は、章容疑者(23)。普段はアルバイトをしているという。給料が少ないのに酒も遊びも好で、常に金が無かった。住所不定で、ネットカフェや簡易ホテルに寝泊まりしていた。

■採用面接の際、会社の管理の甘さ気づく

 昨年にこの保険会社の面接を受けたが、不採用だった。だがある日、この会社の管理が甘かったことをふと思い出した。社員は施錠もせずに帰宅することもあったほどだ。そこで、運試しのつもりで同社に行ってみたところ、やはり鍵が開いていた。

 始めのうちは寝泊りに使うだけで、社員の出勤前に会社を離れていた。社内にある物に触れることもなかったが、空腹になれば食べ物を少し拝借。きちょうめんなことに、ゴミは朝出る時に持って出ていた。

 会社で「暮らす」時間が経つにつれ、この会社を自分の家だと感じるようになった章容疑者。自分のスーツが汚れたら、ちょうど目に入った誰かのスーツを着たり、机の上に記念コインが飾ってあれば自分の物のであるかのように持って行ったり。ほかにも、必要が生じると会社にある物を持ち出すようになった。章容疑者は借りていたスーツを何か月も着続け、汚れたら元の場所に返してしまったという。

 章容疑者の存在を知った社員たちは、一様に驚いた。面接したことがあったとはいえ、誰も覚えていなかった。まさか半年も社内に住みついていたとは。章容疑者は現在、警察に拘留されている。(c)東方新報/AFPBB News