【5月17日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)の関係者が16日、現在資格停止中のロシア反ドーピング機関(RUSADA)について、RUSADAが資格回復に必要とされていた「ロードマップ(計画表)」に従わなかったとして、処分継続を決めたと明かした。

 この日、極秘で行われた執行委員の会合に出席したWADAのオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長は「投票の必要はなかった。(中略)何も変わっていない」と述べ、RUSADAの資格に変更はないとコメント。また、別の執行委員も「現状維持」とし、処分継続で決定だと匿名の条件で明かしている。

 モスクワにあるドーピング研究所が関与した大規模なドーピングスキャンダルの発覚を受け、2015年11月に資格停止処分を受けて以降、RUSADAはこう着状態が続いているWADAとロシア当局の間で板挟みになっており、今回の処分継続は予想されていた結果だった。

 すでにWADAは、数年にわたって国家ぐるみのドーピングが横行していたことを暴いたカナダの法律家リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏による報告書の内容をロシアが認め、WADAに研究所の視察を許可するまでは、処分解除には踏み切らないとRUSADA側に警告していた。(c)AFP