【5月16日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は15日、2019年ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)欧州予選の試合で違反があったスペイン、ルーマニア、ベルギーに勝ち点剥奪の処分を下した結果、ロシアが繰り上がりで本大会の出場権を得ると発表した。ロシアは日本などと同じプールAに入る。

 ロシアは予選3位に終わっていたが、首位で本大会の出場権を得ていたルーマニア、2位のスペイン、4位のベルギーが出場資格のない選手をフィールドに送り出したとして処分を下されたため、日本行きの切符を手にすることになった。3か国には、5万~12万5000ポンド(約745万~1860万円)の罰金も科されている。

 ワールドラグビーはこの日、「W杯の欧州予選を兼ねた17-18欧州チャンピオンシップ(Rugby Europe Championship)に関して、第三者委員会の調査結果をお知らせします。この判断に従って、ロシアが2019年W杯の予選を突破し、アイルランド、スコットランド、日本、プレーオフ勝者とともにプールAに組み込まれます。また、ドイツがポルトガルとの欧州プレーオフに進出しますが、こちらは異議申し立ての対象となります」と明かした。

 W杯の欧州予選では、スペイン対ベルギー戦をきっかけに議論が紛糾。スペインが10-18で敗れた一戦では、怒った同国の選手が試合後に主審に詰め寄り、主審が警護されながらフィールドを後にする事態に発展していた。その後スペインラグビー連盟(FER)は、主審の判定に複数の誤りがあったとして、再試合を要求していた。

 ワールドラグビーは第三者委員会を設置したが、委員会はスペインの言い分を検討する代わりに、スペイン、ベルギー、ルーマニアが予選で無資格の選手を出場させていたことを明らかにし、違反のあった1試合につき勝ち点5ポイント、合計でスペインから勝ち点40、ルーマニアとベルギーから同30をはく奪した結果、8試合のうち半分しか勝っていないロシアが予選を通過し、6敗したドイツが2位でプレーオフへ進むことになった。(c)AFP