【5月15日 AFP】米アパレル大手ギャップ(Gap)が販売する中国の地図をプリントしたTシャツに台湾が含まれていなかったことから中国で抗議が殺到し、ギャップは14日、誤っていたと認めて謝罪した。

 台湾を中国本土との統一にあらがう一つの省とみなす中国は数か月前から、自社ウェブサイトに台湾を独立国家として掲載している航空会社やホテルなど様々な企業に対する圧力を強めている。

 今回問題とされたTシャツは、ギャップが海外市場向けに販売している中国地図をデザインしたもの。中国共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)がツイッター(Twitter)に投稿したギャップのオンラインストアに掲載されている写真によると、Tシャツの中国地図の南東に台湾は描かれていない。さらに中国の国営英字紙、環球時報(Global Times)によると、ギャップのTシャツにはチベット南部の蔵南地区(South Tibet)と南シナ海(South China Sea)も含まれていない。このため、中国版ツイッターの微博(ウェイボー、Weibo)やギャップの公式アカウントには抗議の声が殺到しているという。

 こうした事態を受けてギャップは14日午後、微博を通じて「中国の主権と領土の整合性を尊重する」とのメッセージを発表し「この意図せぬミスについて、心からおわびします」と謝罪。誤りを早急に訂正すべく社内検査を実施しており、問題のTシャツはすべて中国市場から回収し破棄している最中だと説明した。今後は中国の現行法を厳密に順守し、こうしたミスの再発を防ぐため検査を厳格化するという。(c)AFP