【5月15日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)とイスラエルとの境界付近で14日、在イスラエル米大使館が同日テルアビブからエルサレムに正式に移転したことを受けて抗議するパレスチナ人らとイスラエル軍との間で激しい衝突が発生し、イスラエル側からの銃撃でパレスチナ人55人が死亡した。ガザの保健省が発表した。負傷者は2400人以上に上っているという。

 米大使館開設式は予定通り開催され、米政府の代表団が出席。いずれもホワイトハウス(White House)高官である、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の長女イヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)氏と、夫のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)大統領上級顧問も加わった。

 ガザ地区では何万人ものパレスチナ人が抗議行動に参加。中にはイスラエルとの境界沿いで、イスラエル兵らと直接ぶつかる人々もいた。

 52人という死者数は、2014年のガザ紛争以降、1日の犠牲者数としては最多となった。パレスチナ国連(UN)特使によると、死者には16歳未満の子ども8人も含まれているという。

 抗議行動は日没前に終了したが、翌15日に再開されるとみられている。

 この事態を受けて、国連安全保障理事会(UN Security Council)非常任理事国のクウェートは緊急会合の開催を要請した。

 パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長はイスラエルの「虐殺」行為を非難。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)はイスラエルの暴力を「忌まわしい」人権侵害だと表現し、またヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)も「殺りく」を強く批判した。

 欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障政策上級代表(EU外相)は「さらなる人命の喪失を避けるため、皆最大限自制して行動するよう望む」と表明。また英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相報道官も、やはり「冷静さと自制」を求めた。

 一方イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、「いかなる国にも境界防衛の義務がある」として武力行使を擁護した。(c)AFP