【5月13日 AFP】ボクシング、WBA世界ライト級タイトルマッチは12日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で行われ、WBOスーパーフェザー級王者のワシル・ロマチェンコ(Vasyl Lomachenko、ウクライナ)が、王者ホルヘ・リナレス(Jorge Linares、ベネズエラ)を10回TKOで下し、王座を獲得した。

 6回にダウンを奪われながらも耐えたロマチェンコは、史上最速となるプロ通算12戦目での3階級制覇を成し遂げ、ボクシング界に新たな歴史を刻んだ。

 ロマチェンコは強烈な連打を繰り出すと、最後はボディーへの痛烈な左でリナレスからダウンを奪った。リナレスはゆっくりと立ち上がったものの、レフェリーは10回2分8秒でロマチェンコのTKO勝利を宣告。これでリナレスの連勝は13で止まった。

 試合終了時点でのジャッジの採点は、一人はロマチェンコが2ポイントリード、一人はリナレスが2ポイントリード、もう一人は同点としており、接戦だった。

 直近の4試合ではロマチェンコの対戦相手がラウンド終了後に棄権しており、この日の対戦とは大いに異なるものだった。

 体格で上回るリナレスを相手に、手数と素早いフットワークで違いを生み出したロマチェンコは「最後の数ラウンドに向けて準備していた。(トレーナーを務める)父が『ボディーに行く必要がある』と言っていた」と語った。

「ホルヘ・リナレスには感謝したい。彼は素晴らしいファイターであり、自分にボクシングのさらなるレッスンをつけてくれた」

 6回終盤にリナレスの右ストレートを鼻に受けキャンバスに倒れ込んだロマチェンコは、「あのパンチは分かっていた。でも彼が良かったんだ」と振り返った。

 アマチュアとして2度の五輪金メダルを獲得しているロマチェンコは、これで戦績を11勝(9KO)1敗としている。ロマチェンコはプロ3戦目でフェザー級王座を獲得すると、7戦目には階級を上げてスーパーフェザー級のベルトを獲得していた。

 この敗戦で戦績を44勝(27KO)4敗としたリナレスは試合続行は可能だったと考えており、再戦を望んでいる。(c)AFP